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ディスクロージャー制度の概要

商法及び証券取引法両方のディスクロージャー要請を解説します。

ディスクロージャー要請
監査制度

商  法

(目的)
配当可能利益と企業の担保力を報告すること

1.計算書類の承認
 計算書類(貸借対照表、損益計算書、利益処分案、営業報告書)の株主総会召集通知への添付、並びに監査報告書(大会社については、公認会計士の監査報告書を含む)の添付。
 (商法283条第2項、商法特例法15条)
付属明細書は総会の承認対象ではない。

2.計算書類の公示
 計算書類の据置(計算書類及び監査報告書の備置きについては、定款総会の会日の2週間前から、本店は5年間備置く。支店は謄本を3年間備置く。
 (商法282条第2項)

3.貸借対照表の告示
 取締役は貸借対照表の公告またはその要旨を公告しなければならない。
 (商法283条第3項)
 大会社のケース
 取締役は、計算書類について定時総会の承認を受けるか、又は報告したときは、遅滞なく貸借対照表及び損益計算書又はその趣旨を公告しなければならない。
 (商法特例16条第2項)

4.株主の帳簿閲覧権
 発行済株式総数の3%以上を所有する株主に対して、帳簿閲覧請求権の付与がされている。
 (商法293条の6)

1.会計監査人制度と監査役監査

株式会社の資本 会計監査人監査 監査役監査

5億円以上(*1)     必要    会計監査と業                          務監査

1億円〜5億円未満   不要    会計監査と
                        業務監査

1億円未満        不要    会計監査と
                        業務監査
(*1)負債が200億円を超えた場合にも翌期より会計監査人監査が要求されます。
                   (商法特例法2条)


2.監査役の監査
 貸借対照表、損益計算書、営業報告書、利益処分案、付属明細書
         (商法281条第2項、281条3第2項)


3.会計監査人(公認会計士又は監査法人)
  の監査

 貸借対照表、損益計算書、営業報告書(会計に 関する部分)、利益処分案、付属明細書(会計に関する部分)
                (商法特例法2条、4条)

証券取引法

(目的)
投資判断の資料の提供を目的としているため開示内容は商法に比較し、より詳細です
 有価証券の発行市場と流通市場で開示内容が分かれます。

 発行市場では、有価証券届出書(証券取引法4条第1項)・有価証券通知書(証券取引法4条第5項、開示省令第4条)・臨時報告書(証券取引法24条の5第3項、開示省令第19条)があります。

 流通市場では、有価証券報告書(証券取引法24条第1項、2項)・半期報告書(証券取引法24条の5第1項)・臨時報告書(証券取引法24条の5第3項、開示省令第19条)があります。

左記の中で、公認会計士監査が要求される書類とその条件は
1)有価証券届書
 50名以上の者に対して有価証券の募集、又は売出しの発行価額の総額が5億円以上である有価証券の発行会社
 (証券取引法第4条第1項、第5条第1項、監査証明省令第1条)

2)有価証券報告書
 ・証券取引所に上場されている有価証券の発行
  会社
 ・店頭売買登録している有価証券の発行会社
 ・募集又は売出につき、届け出を要する有価証券
  の発行会社
    (証券取引法第24条第1項1号、2号、3号)

3)半期報告書
 ・有価証券報告書提出会社のうち1年決算会社
           (証券取引法第24条の5第1項)
 ・変更した最初の事業年度が6ヶ月を超える会社
                  (開示通達24-5-2)
 ・初めて有価証券報告書を提出することとなった1年決算会社
                  (開示通達24-5-4)

 

 



〈株式公開の基礎)
1.株式公開とは
2.株式公開作業の概要
3.ディスクロージャー制度の概要
4.主幹事証券の公開審査ポイント
5.上場基準(1部、2部)
6.上場基準(ベンチャー市場)の基準一覧表
7.店頭登録審査・上場審査における質問事例
8.公開申請書類の審査項目




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