Q1: 特定調停には、サラ金だけでなく、ショッピングのクレジットカードなども一度に申し立てたほうがいいですか?
A1: あなた次第です。 今抱えている借金を全部一度に整理してしまったほうがいいのですが、もし1〜2件でも低金利で返済額が小さくこれからも続けて使用したいカードなどがあれば、まじめに返済しつづけて無傷で使用し続けたいという気持ちもあるでしょう。
でも思い切って無くしてしまったほうが精神的にとっても楽になりますよ!
もし1枚でも生かしたいカードがある場合は、「このカード会社については個別交渉で話し合いがついているので調停しません!」ということを強調してください。
特定調停がいくら相手別にバラバラにできるからといっても、後から後から内緒にしていた借金がズルズル出てくるようだと、裁判所も非常に嫌な顔をします。 私としては、調停申立のときに書く「関係権利者一覧表」(=あなたの全借金リス
ト)には全て正直に書いたほうがいいと思います。 そのうえで、この会社は調停する、この会社は調停しない・・・と選んだほうがいいでしょう。
Q2: 「特定調停」の説明を裁判所に聞きに行きました。思っていたより簡単で、
○月×日に調停の書類を出そうとおもいますが。不動産(家XX坪、土地XX坪)ありますが、調停では不利)になりますか?
A2: なりません。ヘタに隠さないほうがいいと思います。調停は破産とちがって、借金を踏み倒す手続ではありません。合法的に、どうやって債務を確定して、どうやって返済していくかの話し合いの手続です。法外な利息を取っているのは相手のほうで、こちらは合法的な利息なら払うと言っているのですから、堂々としていてもいいじゃないですか。
Q3: 裁判所へ行き、特定調停のパンフレットももらってきました、これから「特定調停」がいいのか「調停」がいいのか、それとも弁護士に依頼するのが手っ取り早いのかよくわかりません。
A3: まず、弁護士に調停を依頼すると、1件2〜3万円x件数分、プラス成功報酬や着手金なども取られますので、弁護士によってまちまちですが、例えば300万円・5件の借金があるとしたら、総額30万円前後かかると思います。
調停で弁護士を使うメリットは あまりありません。自分で簡単にできますから。調停で弁護士を使ったほうがいいケースは、よほど説明や会話がヘタな人か、よほど忙しくて会社を全く休めない人ぐらいでしょう。
一方、自分で調停を申し立てれば、費用はトータル1万円前後であがります。
会社を 休むのも、月に1〜2回x調停の回数分ぐらいで済みますから、多くても月2〜3回x3〜4ヶ月ぐらいで済みます。そのうえ、ちゃんとした予備知識を持って調停にいけば、かなり自分にとって有利な展開に持ち込むこともできます。「特定調停」か「調停」かについては、迷わず「特定調停」でしょう。調停したい相手としない相手を自分で選べますし、もともと特定調停という制度自体が多重債務者を破産させないためにできたような制度ですから。
Q4: マイカーローンとカードでの買い物は、調停にかけたほうがいいですか?
A4: どちらでもいいでしょう、あなた次第です。 私はかけなくてもいいと思いますが・・・。私の周囲の経験者の場合、マイカーローンは相手との直接交渉で長期分割払い組みなおしや一時支払ストップ(半年後から返済開始する、等)といった話し合いに成功して、車を取り上げられなかった人が大勢います。
車のローンも買い物も、基本的に 利息が安いですから、あとは今後の返済方法をいかに延ばしてもらうかという交渉だけですよね。 それくらいだったら自分で粘り強く交渉できるはず、というのが私の(個人的な)考えです。 しかし調停での話し合いを選ぶ人もいて、それはそれでスッキリまとまっている場合が多いようですし、本当にこれはどちらでもかまわないと思います。
Q5: 調停を起こすと、そのカードはもう使えなくなるのでしょうか?
A5: キャッシングの場合、ほぼ100%使えなくなります。 ショッピングの場合も、ほぼ確実に使えなくなります。 但し、すでに買い物したモノを返せなんて言われることはまずありませんのでご安心を。 車のローンを調停する場合も、これからお金を少しずつ返していくわけですから、車を返せと言われることはほとんどありません。
Q6: 調停不成立になってしまった場合どうなるのでしょうか?
A6: クレジット・大手〜中堅サラ金の場合、不成立になることはほとんどありませんが、もし不成立になると、またもとどおり業者から請求がどんどん来ます。 その後の対処方法としては、しばらく時間をおいて再度調停を申し立てるか(このときは少しは譲歩して、成立できるようにすること)、あるいは自力での解決は不可能と判断して弁護士に頼むか、それとも一括返済してさっさと縁を切るか、その他いくつかの方法が考えられます。
調停申立てから1回目の調停期日まで約1ヶ月。 次回まで1ヶ月。 通常、調停不調になるとしても、それまでに最低3〜4回は話し合いの場がもたれますから、申立から3〜4ヶ月は経過しているわけです。 その3〜4ヶ月間は、一切取立ても来ないし、返済する必要もありません。
ですから、一番いいのは、この3〜4ヶ月間の間に、自分の生活基盤をきちっと立て直して、少しずつでもお金を貯めることです。 そうすれば、万一調停が不成立になっても、焦らず対処できるでしょう。 うまく交渉すれば、金額を大まけにしてもらって、50万円のところを10万円一括返済でチャラにしてくれって交渉することも可能です。
Q7: うっかり公正証書を作ってしまった相手があるのですが(レ○ク)、調停できますか? また、不成立となってしまった場合何か問題は起きそうでしょうか?
A7: 調停はできます。 この場合、調停期間中に給与差し押さえなどをかけられないように、強制執行禁止の仮処分申し立てなどをしたほうがより確実ですが、そこまでやらなくても、中堅クラス以上の消費者金融なら何もしてこないでしょう。
なぜな ら、いくら公正証書を組んでいても、差し押さえには手間と費用と時間がかかり、しかも取れるかどうかやってみないとわからないわけですから、業者としては、よっぽど回収困難などうしようもない客以外にはやりたくないんです。 業者にとってはむしろ、調停にしてもらったほうが、利息が多少減るものの、確実に元金回収プラス利益確保できますから大歓迎なんです。 (以上、1年前にアイ○ルの社員から聞きました)ただ、念のため、調停を申し立てる直前までは、相手に調停準備していることを悟られないように(=つまり余計なことは何も言わないように)注意すべきでしょう。
Q8: 今日、簡易裁判所へ行ってみました。借金が500万円あると言ったら、破産しなさいと言われ、しょげています・・・
A8: 弱気になる必要はありません。 裁判所の相談員に、「500万円といっても、○
年間借りているのだから、利息制限法で○割減るはずです。 それを分割にしてもらえるなら、これから確実に返済できます!」と、具体的な根拠を含め、強く強調してください。
Q9: 調停したことを、裁判所や借入先から会社や家に連絡されるということはないんですよね?
A9: まず裁判所ですが、裁判所は申立て人が指定した連絡先(自宅でも勤務先でも友人の家でもどこでもいい)以外のところに書類を送達したり電話したりすることはありません。 また破産と違って官報に記載されることもありません。
次に債権者ですが、調停期間中は取立てしてはいけないことになっていますし、借金のことを第3者に漏らすようなこともしてはいけないことになっていますので、まず心配ないと思います。(可能性ゼロとは言い切れませんが) が、もしそんなことをやってきたら、証拠を残しておいて、監督庁や財務局に苦情を訴えてください。そういう相手には過激にやってもかまいません。
訴訟を起こして、マスコミにもどんどん通報して、相手方にも謝罪要求の内容証明を送って・・・と、恐喝にならない程度に派手にやってしまったほうがいいと思います。 うまくいけば損害賠償請求できるかも・・・
Q10: 過去の取引で、契約書を何回か書き換えた場合は、一番新しいところからの計算となってしまうのでしょうか?
A10: ちがいます。 利息制限法の再計算は、取引をはじめた、一番古い期日から計算されます。 今までに行なったすべての取引が対象になります。 (といっても、実際はどんなに古くてもせいぜい10年前までですね)
Q11: 過去の取引明細について、相手からどうやって請求すればいいでしょうか?
A11: 何も余計なことを言う必要はありません。 ただ普通に「過去の借りて返して・・・の明細が知りたいので、明細書をください」とだけ言えば、相手はそれを提出する義務があります。 どうしても出し渋ったら、管轄の財務局に指導をお願いしてもいいし、あるいは適当な理由をつけてもいいし(知人に返済を助けてもらうにあたり、過去の明細を要求されている、とか)、まああまり深く考えなくても大丈夫でしょう。
ちなみに私は相手に明細書を要求しないで、書類不備のまま調停を申し立てましたが、それでも調停本番では相手方が利息制限法にすべて再計算してくれて持ってきてくれました。
Q12: 今回、特別調停を申し込み、裁判所に行きましたが、借金が500万以上有って、手取りの給与が、35万で、毎月の支払いを抜いた家計簿では2万くらいしか、残らないので、これは、この調停では任意整理は無理ですと言われ、へこんで帰宅しました。 武○士から督促がきたので、「返済が遅れているのは、特別調停で申し立てをしているためです。」と言ったら、事件番号は?と聞かれ、近いうちにわかりますと言ったら、半分信用してないみたいで、決まったら、教えてください。と言われました。
A12: まず、「調停申立て」というのは、印紙を貼った申立用紙を提出し、それが受理されて、事件番号の書かれた受領票をもらって、これではじめて「申し立てが完了した」ことになります。 したがって、あなたの場合、単に「裁判所に調停の相談をしに行った」に過ぎません。
申立て手続きは完了していません。 武○士が首をかしげるのも当然です。これがウソにならないように、すぐに正式な申し立て手続を進めましょう。次に、500万では調停は無理かということですが、これは、債権者各社との取引年月が長ければ、利息制限法に引きなおしてかなり借金が減るでしょうし、また(家庭事情にもよりますが)月収35万もあれば、月々の返済額を2万じゃなくて5〜6万にすることも、やりようによっては可能ではないでしょうか?
その線で、強く主張してみてください。 私が過去に見てきた例では、借金600万で、月収10万円しかないのに、調停を無理矢理やってもらって、そして最終的に利息制限法で債務が100万円以下になって、しかも月々の返済が2万円台になって、ラクラク返せるようになった人がいます。
Q13: リースの未払いもあるのです。電話、コピー、パソコンです。どうなるでしょうか?
A13: これは調停する必要は全くありません。 リース会社と直接話し合えばすむことです。 リース会社にしたって、リース物品を強制的に押さえても、しょせん中古品として二束三文で処分することしかできませんから、それよりは少しずつでも払ってもらったほうがよいと考えます。 遠慮なく「金がないから数ヶ月間支払いゼロで、数ヵ月後から支払い再開させてほしい」とか交渉してみましょう。
Q14: サラ金から借りた過去の支払い明細を知りたいんだけど…?
A14: 普通に頼んでももらえます。出し渋る相手は多いですが、客から請求されたら提出する義務があるので、強く押せばもらえます。 もしどうしてもくれなくても、そのまま調停に持ち込めば、相手が過去の支払明細を調停委員に見せなければいけないので、あまり心配はいりません。
中には調停で過去の古い取引明細を「紛失した」とかいって提出しない相手もいます。こういう相手には財務局に電話で苦情を申し入れて指導してもらえばばっちりです。
Q15: 会社を休みたくないので、弁護士に調停を委任したいんだけど、相場はいくらくらい?
A15: 着手金・印紙代などは別に、1件2〜3万円かかります。 5件相手だったら10〜15万円以上ということですね
Q16: 連帯保証人を立てている場合は、保証人も同席しなければいけないの?
A16: できれば連帯保証人の方も同席したほうがベストですが、そうしても不可能なら、裁判所所定の委任状にハンコを押してもらうことで、あなたひとりで調停を進めることもできます。
Q17: 調停の席で「遅延損害金」というのを主張されましたが、あれは何に対しての損害金なんですか?
A17: 調停申し立てから調停までの期間に法的に認められている金利です。 これは利息制限法の2
倍まで取っていいことになっています。 しかし「法的に認められている」と「払わなければならない」とは違いますので、交渉して免除してもらうことは十分可能です。
Q18: 調停で決定した金額を払えなくなる人って多いんですか?
A18: もともと特定調停は、債務者を破産させないための救済策のひとつとしてできた制度ですが、残念ながら払えなくなる人は多いです。(2〜3割いると聞きます) このため、裁判所も調停委員も貸金業者も、少しずつ調停に対して疑問のようなものを感じてきている人が増えてきているのも事実です。
本気でまじめに返そうとしている人にとっては迷惑な話ですね。 2回(2か月分)以上支払を怠ると、またまた一括請求されてしまい、強制執行の対象にもなりますので、話し合いの際はくれぐれも慎重に月々の支払額を決めてください。 決して無理のないように。 決めたら、何が何でも払うつもりで。