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今すぐあなたが準備すべき事は

まず「現在の、経済状況をざっと紙に書いて整理すること」です
解決方法はここから探り出すことができますので、真剣に行ってください。

(1)現在のあなたの収入
(2)最低限必要な固定支出額(家賃・光熱費・食費など)
(3)1から2を引いて、今後一切借金をしない場合、毎月いくら返済に回せるか
(4)あなたの現在の借金の詳細
※負債総額・件数・取引年月・利率・担保・保証人・月々の返済元金・返済利息など


以上全てを紙に書き出して整理することから始めてください。今すぐ始めてください。できる範囲で構いません。 この作業を始めないと、弁護士に相談しても的確なアドバイスができず、破産をすすめられてしまいます、あなたに守るものが一つでもあるのなら本気でやってください。
多重債務に陥る人の多くは、金銭感覚や計数感覚がルーズで、無計画で後先のことを考えず、そして無知・無防備です。私もそうでした、ですから、将来二度と同じような目に遭わないためにも、あなた自身が十分反省することから始めなければなりません。そのためにもこの作業は重要な意味を持っているのです。
これだけ揃えたら、直ぐに最寄の裁判所へ行って下さい。

 

減額するための方法

以上の作業を終えると、いろいろな対策を講じることができます。対策には業種別・相手別にいろいろな方法がありますが、大まかに言うと、下記のように要約されます。(あなたが多重債務者で、これ以上支払いを続けるのが非常に困難である場合を想定して話を進めます)

(1)金利20%以上の相手(消費者金融・商工ローン・クレジットカードなど)
→無理して返せるのならそれに越したことはないが、どうしても返せない場合、あるいは今無理に返してもまたすぐに他の借金返済が待ち受けているような多重債務状態の場合、最も有効な手段は、「利息制限法」に引き直して、債務を減額してもらうことです。
利息制限法の上限利率は、10万円未満で20%、100万円未満で18%、100万円以上で15%。 これは罰則規定がな いために、ほとんどの消費者金融が無視しています。消費者金融が厳守しているのは、罰則が厳 しい出資法の上限金利(29.2% 2000年6月までは40.004%だった)だけ。 この出資法だけを意識して、自分の都合の良い契約書を作っているわけです。

法律では、利息制限法以上 の金利でも、債務者が任意で払っている分には認めてもよいことになっている(=みなし弁済) ので、貸金業者は「あなたが納得の上で借りた」と言うが、これに対してはあなたが利息制限法を知らなかったと主張すればよいのです。

調停・裁判などの場では、貸金業者は嫌でも利息制限法に引き直させられるので、もしあなたが自ら調停を申し立てたり、逆に債権者があなたを訴えてきた場合は、まず間違いなく利息大幅カットされる。だから相手が裁判を起こ してきたら非常に有利である。また、少し根性が要るが、調停や裁判をしなくても減額できる方法もある。

(2) 銀行・ほか金利の安いところ
→ これは利息制限法などもちろん越えていないわけだから、裁判や調停で債務を減らそうとしても無駄である。そのかわり、この手の相手の場合 は、わりと話し合いがしやすく、返済方法を長期分割化にすることに応じてくれやすい。 (月2万x10回を、月1万x20回に変更など…)

まずは電話で相談してみるとよい。 ひとつ注意しなければならないのは、銀行の借金は、一度信用を低下させると後々の取引きにも大きく響くので、今後の銀行の利用価値を考えると、今までどおりきちんと払うべきか、それとも無理せずに分割に組み直してもらうかの判断がむずかしい。
でももうこれで懲りたじゃないですか!これからは現金主義で行きましょう!!

あなたの他社の負債総額 や収入状態がどうにもならないほど厳しい状態であれば、サラ金などと同じ時期にいっぺんにやってしまうほうが良いかもしれないが、多少でも返済余力があるのなら、銀行だけは無傷にしておきたいのも事実ですが、一緒にやってしまった方が、自分の為には断然いいです。 

利息の安いカードも同様。無傷で残しておくとあとで何かと便利ですが、これに懲りてカードは一つ残らず止めちゃいましょう!気持ちいいです。

(3)違法業者(トイチ・トサンなど)
→ これに手を出していると、かなりやっかいである。もしできることなら、どんなに無理をしてでも全額返して、関係を絶ち切ってしまってしまったほうが、安くつくし安全です。なにしろ相手は免許取り消しをも恐れな い、何をしでかすかわからない相手だから。

 

債務がどれくらい減できるか調べる方法 (利息制限法による)

原則として(あくまでも原則。裏技はある)、「利息制限法」以内(つまり年利15‐20%以下)で借りている借金は減額できません。しかし、クレジットカードのキャッシングや消費者金融の借金は、たいていの場合「利息制限法」をオーバーしているので、借入れ年月が長ければ長いほど大幅に減額できます。

たとえば、武富士から50万円を年利28%で5年間借りていた場合で計算してみましょう。
50万円x金利28%(500,000x0.28x365/365=140,000) = 利息だけで年間14万円も払っていることになります(厳密にはもっと多い)。
一方、利息制限法の上限は18%なので、50万円だと年間利息は9万円。
(500,000x0.18x365/365=90,000)  その差額は5万円。 これがいわゆる「過払い利息」とよばれる、払いすぎた利息です。

この過払い金利は、過去の取引き開始までさかのぼって請求できるので、 5万円x5年=25万円。 この25万円の過払い利息を、あなた現在の借入残高から差し引くことができるので、 50万円−25万円= 25万円があなたの正しい債務になるわけです。

もっとも、これは非常に単純な計算に限った場合。実際には借りたり返したりを何度も 小刻みに繰り返したりして残高が減っていない場合などは、その差額はもっともっと大きくなります。 過去の実例としては、ア○ムやプロミスなどから10年近くも借りている人の場合、調停に持ち込めば一発で借金ゼロの和解になる場合が多いです。

3−4年借りている人でも5割近く減ることが多いですね。利息計算方法の基本は、
(借りている金額)x(利率)x(日数)÷(365)=(払った利息額)
たとえば、アコムから50万を年利28%で30日間借りていた場合は、
(50万)x(0.28)x(30)÷(365) = (11506円) これを利息制限法の18%に引き直した(再計算した)場合は、 (50万)x(0.18)x(30)÷(365)= (7397円) です。 この計算式をもとに、あなたの借金をざっと計算してみましょう。

 

借金解決のための大事な心得

貸金業者と渡り合う上で、非常に重要な心構えがいくつかあります。 これを守ると守らないでは、交渉のスムーズさが何倍も違ってくるし、減額できる金額も大きく違ってきますので、ひとつひとつ心に刻み込んでください。小手先のテクニックよりもはるかに重要なことばかりです。これだけで多重債務から脱出した人もいるほどです。

1.相手に感謝の気持ちをあらわす(貸してくれてありがとう、待ってくれてありがとう、減額してくれてありがとう)

2.交渉時は、「申し訳ない」という気持ちをあらわす。
  (返済が遅れて申し訳ない、契約を守 れなくて申し訳ない)


3.逃げない。堂々と対処する。心の中では開き直る。(電話には必ず出ること。逃げると 相手はムキになって追いかけてくる。電話にさえ出ていれば自宅訪問されることもめったにないが、電話にでないとすぐに自宅や実家に来られてしまう。一番いいのは、こちらから進んで相手と友達になってしまうくらいに、相手にこまめにじっくりと連絡すること。貸金業者は「債務者に開き直られる」のと、「情を移される」のが一番やりにくいのだ。) 

4.「返したい」という気持ちを伝える。(とにかく相手がどんなに悪質だろうと、「返さないわけではない。返したい」という返済意志を伝える。但し相手の要求する法外な利息までは払う必要はないと思うが、これも最初からあからさまに主張しないほうがいい)

5.しかし「今は返す金がない」ことも伝える。(無いものをあるとウソつく必要はない。あわてずあせらず、じっくり腰を据えて交渉にのぞんだほうがいい)

6.自分の生活を立て直したいという強い意志を持つ。(自分にとって何が一番大事か?誰の ために働いているのか? 借金返済よりも家庭や育児や健康維持のほうが大事ではないのか?借金に追われていると、つい足元しか見えなくなるが、できれば借金返済をほんの一時期延ばしてでも、家庭の立て直しにつとめたほうがよい。


公共料金や食費や教育費などをきちんと確保して、休日はひと休みして、じっくり自分を見つめ直したうえで真剣に借金問題と取り組むのがベスト。欲をいえば、休日は家族で温泉に行くぐらいの図太さ・気持ちの余裕を無理してでも身につけたいところだ。業者との借金の契約はあくまで経済行為であって、奴隷契約ではないのだから)

7.他力本願にならない。自分で頭と体を使う。(借金はあなた自身の問題。自分のことは自分で解決するのが人の道。また、借金する人は往々にして金銭感覚がルーズか、計数感覚が弱いか、世間に対して無知で判断力がない場合が多い。

この点を自覚して、徹底的に直すつも りでないと、いつかまた同じ過ちをくりかえし、他人に大きな迷惑をかける。慌てて弁護士に駆け込んだりするよりも、じっくり腰を据えて、現状をみきわめてから対策を講じたほうが後々のためにいい。)

8.なんでも紙に書く、数字にする、証拠を残す。(相手の理不尽な行為と戦うため、そしてあなた自身の現状をより明確にするため)

9.家族や連帯保証人に隠さない。自分ひとりでしょい込まない。(家族に隠し通そうとすると借金解決は非常に難しいものになる。もし後でばれた場合に大きな問題になる。 しかし先に言ってしまって、自力で解決することを明言しておけば、悪質な取立てに脅える事もなくなるし、何倍も戦いやすくなるし、さらには家族の絆も深まる。あなたの気持ちもスッキリするだろう。

人間、過ちは誰にでもある。人間として本当に大事なのは、自分が犯した過ちとどう向き合うか、ではないのか?また、貸金業者にとって一番やりにくいのが、債務者と連帯保証人・家族が団結して戦ってくることだ。 逆に仲間割れされたり隠し事があったりすると格好の脅迫材料になるので相手の思うツボ。)

10.家族や連帯保証人に申し訳ないと素直に謝る。(上記と同じ理屈。隠すといつまで も不安に駆られるが、開き直って家族や保証人に打ち明けて、素直に謝って、自力でオトシマエをつける気持ちを示せば、いつかきっとわかってくれる。 商売の取引先に迷惑をかけた場合も同じ。

1件1件謝罪と説明に回り、「自分の能力不足で迷惑をかけたが、これから死に物狂いで仕事を立て直し、頑張ってお返ししたい」と熱心に説得すれば、意外なほど多くの債権者が好意的になってくれるだろう。こういう事態が生じたときこそ、自分にとって本当に価値のある友人、価値のある客は誰か、よりはっきりするので大変勉強になる。物事をポジティブに考えるべし)

11.約束はくれぐれも慎重に。(できない約束はしない。相手の都合の良い念書などにはサインしない。できないことは、たとえどんなにプレッシャーをかけられても、踏ん張って拒否すること)

 

以上を実行するだけで、あなたの借金解決のスピードが倍以上アップすることは確実です。 いきなり全て実行するには勇気がいると思いますが、いずれもお金がかからない、あなたの心のもち方ひとつでどうにでもなることばかりなので、是非頭に入れておいてください。

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多重債務解決手法
1.特定調停での借金を減額する方法
2.個人版民事再生法
3.今すぐあなたが準備すべき事は
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