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エンジェル税制を受けるテクニック
「エンジェル税制」とは、

創業期の中小企業に対して積極的に投資をしていこうという個人投資家(エンジェル)を支援する制度です。
この制度は結果として企業の資金繰りのうちで直接金融の部分を充実させることにつながります。
具体的には、個人投資家が投資を行い、損失が発生した場合は、税制の認定期間3年間の間、その「損失の繰り越し」と「課税特例」が受けられる他、利益が存じた場合でも税金の申告時にその利益を4分の1に圧縮して26%の申告分離課税の「特例措置」が受けられます。
たとえば、ある個人投資家が創業期の特定企業3社に500万円ずつ投資していたとします。
そのうち1社は1年後に業績悪化のため倒産、もう1社も業績悪化のため2年後に300万円で株式を売却しましたが、残る1社が3年後に株式上場し、6500万円で株式を売却できました。
従来の税制であれば、最後の譲渡益がでたケースのみ、確定申告の対象となり、差し引き6000万円の設けに対して780万円の税金がかかる計算になります。しかし、エンジェル税制の適用を受ければ、損失を破った2社の分を翌年以降に繰り越して、譲渡益を4分の1に圧縮したものと相殺することによって、税金は208万円になります。
これが、新しいエンジェル税制最大の特徴だといえるでしょう。

 

投資の対象となる中小企業の要件は

(1) 創業期(設立10年以内)の中小企業社(商業登記簿謄本で確認)
(2) 研究開発や市場開拓に相当程度の出費をしていること(対売上高費3〜5%、設立5〜10年の企業は5%以上)
(3) 設立1年未満の企業では、常勤の研究者数が常勤社員の10分の1以上(財務諸表や社内組織図で確認)
(4) 外部からの投資を3分の1以上取り入れてる企業(株主名簿で確認)
(5) 大規模会社の子会社、あるいは大規模会社が実質的経営権を持っているなどの、特殊な関係がない
   (株主名簿などで確認)
(6) 未登録・未上場の会社であること

となっています。

 

個人投資家の資格

@ 投資契約をしていること(各地方の経済産業局に提出)

A 金銭払い込みにより当該企業の株式を直接取得していること(株式申込書の写し等で確認)

B 同属会社では上位3位までの株主グループに属していないこと。また、所有する株式が、総発行
  株式数の2分の1以下であること。


となっています。
投資対象となる企業に認定されるには、前述の要件の中でもとくに(2)の研究・開拓のための出費比率が重要で、新時代のニーズに沿った研究テーマを持って開発を進めているか、そのテーマに関連した分野での市場開拓に積極的に取り組んでいる必要があります。
また「中小創造法」や「新事業創出促進法」などの認定取得者にもこの制度が適用されるので、あらかじめそれらの認定を取得しておくことをお勧めします。
また、個人投資家側に求められることとしては、投資先企業の事業内容や将来性、成長性を慎重に分析・評価し、経営者とも直接会ってじっくりと離した上で判断することが上げられます。
エンジェル税制の申請手続きは、まず企業と個人投資家が投資計画を結び、投資家が一定の株主間で発行されますので企業はこの「確認書」を個人投資家に渡します。
手続きに際しては、前述の企業や個人投資家の用件を確認するために資料を揃えておく必要があります。
この制度の適用を受けたあとで、企業が株式の分割をする場合や、投資家が株式を譲渡する場合は、相対に通知し、企業は株式異動状況明細書の管理や、分割・譲渡などの株式情報を提供することが必要となります。
また、損失が発生したときに投資家が確定申告をする際には、経済産業局発行の「認定書」、特定企業の発行した「一定の株主に該当しない旨の証明書類」「株式異動状況明細書」「株式投資契約書の写し」「譲渡所得等の計算明細書」や「損失金額に関する明細書」などを税務署に提出します。
この他に清算結了による損失の場合は「清算結了の商業登記簿(抄)」や「破産宣告の広告」などが、譲渡損失の場合は「有価証券取引報告書」の写しや、証券会社が公布した「取引報告書」が必要になります。

 

 


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