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人材を確保する助成金を受けるテクニック
中小企業雇用創出人材確保助成金
管轄…雇用・能力開発機構

補助金・助成金のなかで最も人気の高いものが、「中小企業創出人材確保助成金」です。
この制度は新しい事業に挑戦しようという企業への支援制度で、新事業分野に進出する際に新たに雇用を創出するように促しています。
厚生労働省が管轄する雇用保険の保険料を原資とした制度で、申し込み企業も多く、受理してもらうまでにかなりの時間がかかります。

適用要件は、創業もしくは異業種への進出の計画がある企業で、
@新企業開始後6ヶ月以内に「改善改革」の都道府県知事の認定を受けること
A改善計画の1年年目に新しく雇用すること
B新事業計画に伴う経費が300万円以上かかること
Cその企業自身が雇用保険の適用事業所であること
C申請の前後6ヶ月の間に会社都合による離職者がいないこと
などあります。

支給される金額は、雇い入れた労働者の1年目の賃金の4分の1(平成13年9月末までに公共職業訓練修了者を雇用とした場合は3分の1)で、最高6人までがこの対象になります。

手順は都道府県によって若干異なりますが、東京都の場合はまず「雇用・能力開発機構」の主催する説明会を受講し、「改善改革」を作成して同機構のチェックを受ける必要があります。
この段階のハードルが最も高く、雇用管理の改善について、具体的にしかも実現可能な改善策を記載しなければなりません。

またこの段階は必ず事業主自身による窓口への提出が雇用・能力開発機構では求められます。そして東京都に改善計画を提出して受理・認定してもらいます。今のところ申請から計画の受理まで60日以上かかり、また受理された翌日以降に雇い入れた場合のみが対象となるため、しっかりとした雇用計画を立てて申請しないと、雇用の機会すら逃しかねません(東京都の場合は雇用・能力開発機構のチェック終了後の雇用も対象となる)。

この助成金は、要件を満たす企業であれば、申請すれば確実に受給できます。ただし、制度の趣旨は企業の雇用管理をきっちりやってもらうというものであり、提出する「企業計画」はかなりのレベルのものが要求され、雇用・能力開発機構によって厳しいチェックが入ります。完全な申請無いようを記載したと思っても、一回でとおることはめったにありません。2度、3度と、再提出を求められることもたびたびありますが、これをクリアさえすれば助成金をもらえるものだと思って、根気強く取り組んでください。提出する「改善改革」自体は、決して新規な内容である必要はありませんが、実現可能で、的確かつ正しい内容が求められます。

計画書に書いておくべきことは、まず、事業が中小企業であり、雇用管理が未整備であるということを認識し、そのために優秀な人材が必要にもかかわらず雇い入れが困難である、ということを強調してください。
そして、そのために雇用管理を改善するための改革を、詳しく具体的に書く必要があります。ここで、ポイントとなるのは

@法廷労働時間を守ること
A完全週休二日性やフレックスタイム制度
B有給休暇の充実などによって年間の総労働時間の抑制を図る

など、労働時間短縮のための努力を前面に打ち出してください。

そして、「現場環境の改善」「福利厚生の充実」「募集・採用の改善」「教育訓練の充実」「その他の雇用仮の改善」について具体的に、簡潔に記載することが必要です。のちに報告が必要になりますので、実施可能な改善策で無ければなりません。

さらに、事務所の経費などを含めて300万以上の支出が必要であり、その根拠をはっきり証明するものが必要です。ただし、実際の支出として第1回の支給申請(約6ヶ月後)の時点までの総計分の及び家賃など1年分で支払いが確定しているものは計上できます。
改善計画が都道府県に受理されたら、雇用・能力開発機構に「実施計画」を提出します。その計画に沿って人を雇い、6ヶ月後と12ヶ月後に支給申請を行った上で助成金を受け取ることができます。また同じ中小企業の雇用創出に関する助成金としては、ほかに創業前日まで雇用保険受給者だった人が創業した場合の「中小企業受給資格者創業特別助成金」や、20万円以上の雇用管理制度改善費用の2分の1(最高100万円)を助成する「中小企業雇用創出人材確保助成金」、異業種進出に伴うOFF-JT訓練を労働者が受けた場合の費用及びその間の賃金4分の3を助成する「中小企業雇用創出能力開発給付金」などがあります。

これらは、「中小企業雇用創出人材確保助成金」を受けることが前提となり、手続きも同時に行うことが必要です。
これらの制度は、基本的に雇用開始や改善計画を実施してからの申請で、申請してから受給まで2ヶ月前後のものが多いです。
また1年間の給料を助成する制度では6ヶ月ごとの年2回支給となるケースもあります。ただし、前後6ヶ月に会社都合による解雇が行われた場合は、適用除外となることが考えられますので、注意してください。

 

中小企業雇用管理助成金 
管轄…雇用・能力開発機構

前項の「中小企業雇用創出人材確保助成金」を前提とした制度であり、新分野進出等に伴って人材を新しく雇用保険一般被保険者として雇い入れた場合に、組織の雇用管理制度の改善に要した費用の一部を助成するものです。
具体的には採用のためのホームページを作成した費用や、求人情報雑誌等の募集広告の掲載費用、募集採用のパンフレット作成費用、就職説明会の開催費用など、さらに雇用管理担当者の研究費用や適性検査の実施費用、また雇用管理マニュアルの作成等のためにコンサルタントに委託を行った費用などまでが対象費用に含まれます。求人情報雑誌への掲載等には多額な費用を要しますので、新分野への進出等の大変な時期に、この制度の活用はとても助かります。
ただし、その費用の額が20万円以上であることが要件で、かかった費用の2分の1(最高100万円)が助成されます。
たとえば、求人情報雑誌への募集広告に16万円、就職説明会に10万円、雇用管理マニュアル作成のためのコンサルティング費用に50万円を支出した場合は、その総額の76万円の2分の1である38万円が申請に基づいて助成されることになります。
支給申請は、求人情報誌への掲載等及び従業員の雇い入れを完了した日から1ヶ月以内に行う必要があります。

 

中小企業高度人材確保助成金  
管轄…雇用・能力開発機構

全2項と同様に「労確法(中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機械の創出のためのの雇用管理の改善の促進に関する法律)」に基づく制度ですが、創業、異業種への進出、新製品・新商品の開発、交付付加価値化、販路の拡大等を目指す事業主が、そのために商品開発や経営戦略の企画等に関する高度の技術や知識を有する人材を「出向」「委嘱」「委任」「派遣」「嘱託・顧問」として受け入れることをいいます。
ただそれと合わせて、その高度人材と同数以上の一般労働者を雇い入れることが支給要求要件となっていますので、注意が必要です。
その場合、高度人材の最初の1年間の賃金の3分の1が助成されます。一般労働者については助成措置はありませんが、その年齢が55歳以上ですと、「特定求職者雇用開発助成金」の受給ができるという合わせ技も可能です。
ただ、「高度人材」の規定が比較的厳格ですので、あらかじめ窓口で相談するのが適切かと思います。

 

 


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