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公的資金・支援制度が受けられるポイントは
公的資金・支援制度は同時に申し込む。

公的融資・助成金や支援策は多岐にわたっています。
自社に適した制度が複数ある場合、ひとつに絞るのではなくて、同時に申請の手続きを行って、より有利な制度を選ぶのが賢明です。
たとえば国と自治体の融資は異なるもので、両方から借りることが可能です。
また同一の政府系金融機関でも、普通貸付と別枠で特定設備資金や商業貸付などの特別貸付を付け加えることもできます。
また、雇用にかかわる助成金なども複数の制度を併用することが可能です。公的融資・助成金はその受けた回数が増えれば増えるほど、信用力が増すことになり、異なる公的支援を続けて受けられる可能性が高まるともいえるのです。
公的融資の場合では民間融資と異なり、返済前でも違う融資の申請をすることが可能です。国や自治体、政府系金融機関の姿勢は、現在の業績が上がっていなくても技術力や将来の可能性のある企業ならできるだけ貸付けようというものですのでぜひ頑張って下さい。
ただし、制度によっては募集期間が決まっているものや早い者勝ちで予算を使い切ったところで終了するものもあるので、まめに情報を集めておく必要があります。
窓口となる部署の担当者と日頃から懇意にしておくのもひとつの方法です。情報はもちろんのこと、資料の作成手続きの細かな相談に乗ってくれます。

 

申請書は手書きがいいのか、ワープロ書きがいいのか

申請時の添付書類としては、制度にもよりますが、
1.収支実績及び事業計画書
2.資金操り表
3.財務諸表(損益計算書、貸借対照表、利益処分計算書、製造原価報告書など)
4.主要販売先一覧
5.主要仕入先一覧
6.企業概要
7.定款
8.商業登記簿謄本
9.担保物件明細表
10.製品・サービスカタログ

などを提出することになります。
それらは書類を審査する担当者を納得させるものでなければなりません。現在、制度によっては非常に競争率が高くなっているものもありますが、事業計画書などは時代のトレンドに合わせ、新規性や社会的貢献度の高いものであることをアピールすることによって、審査員に好印象を与えられます。また、経営に関する数字を示す書類だけでなく、企業概要や製品・サービスカタログも企業の魅力を伝えるのに重要です。なお、所定の申請書を含めそれ以外の書類は、できるだけワープロやパソコンを利用し、手書きは避けましょう。手書きのほうが誠意が伝わるというのは手紙の場合だけです。読みにくい文字だと審査員の心象を損ねるでしょうし、内容を修正した上で再提出を求められるケースもあります。できるだけワープロ。パソコンで書いたものを提出してください。

 

審査員には誰が説明すればよいのか

面接は、経理など担当者だけではなく、経営者自らが少なくとも一度は説明するようにしましょう。顧問税理士や顧問社会保険労務士だけが審査員に対応するということは避けてください。
経営者自ら説明することによって“誠意”を伝えることができます。自らが会社の沿革や経営理念などを直接説明すれば、審査員に納得してもらえる可能性は高まります。

 

審査員は経営者のどこを見るのか
公的融資・助成金や支援制度の審査官は、民間金融機関以上に経営者のやる気や人柄についても重点的に見ます。経営者の言動や企業の雰囲気などから、経営者および企業の経営姿勢を判断します。経営者個人の人望や指導力、判断力、先見性などは特にチェックされます。なお、後継者が決まってる場合は、その後継者の能力や人柄も審査されることが多いようです。ちなみに、審査における人物評価が占める割合は一番高いと思われます。たとえば、国民生活金融金庫では担保よりも経営者の資質と保証能力を重視する傾向が見られます。

 

審査員は企業のどこを見るのか
収益・財務面については、損益計算書からは、売上高、利益、人件費の金額や推移はもちろんのこと、経常利益率、営業利益率、売上総利益などの指標を計算し、参考にしています。
貸借対照表からは、現預金の程度、設備投資の動向、棚卸資産や借入金の程度、指標としては自己資本比率、棚卸資産回転率、売上債権回転率などを見ます。
経営者や事業改革、決算以外で審査されるポイントとしては、従業員数、終業時間や資金体系、社員の定着率、福利厚生制度などが確認されます。
得意先別の取扱商品・サービス、原材料の購入とその内訳、設備の生産能力、広告・宣伝などの販売活動などもチェックされます。

 

何をどのように伝えればよいのか
審査員の説明の際には、なぜ資金が必要なのかという「理由」を、また公的融資や助成金の「使用目的」と「返済計画」を正しく答えられるようにしておきます。
公的資金を受ける場合はその理由が大切です。赤字経営でも、業績の悪いことにそれほど悲観的になる必要はありません。その原因の分析と黒字へ転換する方策、そして無理のない返済計画を提示します。「なぜその資金が必要なのか」といった資金の対資金効果を特に意識してください。
受け取る資金が運転資金なのか設備資金なのかも明確に意識しておいたほうがいいでしょう。とくに、設備資金を借りる場合はその使途が綿密にチェックされます。自治体の直接貸付の場合は後々、融資したお金が当初の使途で計画どおりに使われたかを入念に調べられることを忘れないでください。
もし粉飾決算をおこなって業績をとり繕っても担当者はプロですからすぐ発覚します。
業績が良くないのなら、ありにまま伝えましょう。安易な対応で信用をなくしたら、それですべてがダメになり、以降付き合うことができなくなってしまいます。商品やサービスを説明するときは、専門用語・技術用語についても詳しく補足説明するようにしましょう。
新たな事業に挑戦するときはその市場性が判断材料となります。仕入先や販売先、そして販売予定価格や販売目標の数字を審査員に伝えましょう。その際、価格や販売目標などが妥当かどうかも審査員の判断基準となります。あまり極端な数字を出すと“実現性のない”事業計画とみなされてしまいます。

「実地調査」はどのように対応すれば良いのか
審査員が、本支店や営業所、工場などの現場を訪れることを「実地調査」と呼んでいます。調査では、商品の製造工程やサービスの現場を見てもらうことになります。
その際は活気ある職場を見せる事が必要です。製造工程を説明する際には、どのような設備を導入すれば生産効率は上がるのかといったようなことを具体的に説明できれば、交渉を有利に進めることがせきます。そうしたことの積み重ねで信用力は高まるのです。

 

 


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